今年も開催されるASIAGRAPH Reallusion Award 2014の予選大会にメディア学部のプロジェクト演習(DigitalCamp!us)から3人編成4チームとひとりの計5グループが応募しました。
予選大会は作品応募という形でおこなわれ、予選を勝ち抜いた作品が本選大会に選出されます。
本選は台湾台北で開かれ、48時間でひとつのCG作品を作るコンテストです。

ReallusionAward2014_1

昨年も参加、そのリベンジに燃える
昨年から始まったコンテストに参加し、予選は無事に通過し1チーム3名が台湾台南高尾に招かれ本選大会に臨みました。惜しくも本選大会では時点で入賞を逃しましたが、今年はそのリベンジということもあり、時間をかけて作品とチーム選出をしました。

昨年の模様は

 

昨年の予選大会通過作品「少女と折れた木-a Girl and a broken Tree-」

 

プロジェクト演習の中から
演習履修者の中から希望者を募り、希望者全員に企画とシナリオを提出させました。その中から企画として適したものを抽出しました。その中でシナリオライターを決め、グループを作っていきました。初めて企画書やシナリオを書く学生もたくさんいましたが、あまりこちらが手取り足取り教えるようなことはしません。まずは自分でじっくりと考えるということが大事なので、企画の立て方やシナリオの書き方を自分で調べさせます。そのうちになんとなく自分で書いて来たものに関して、個別に話をしていきます。企画というのはどういうものなのか、プロットやシナリオの組み立て方を丁寧に教えていきます。プロジェクト演習の良さは、大教室での講義ではなく、個別の指導が出来るところです。個々の能力や進度に応じて目標を定めていきました。

集まったシナリオ

企画とシナリオ

3人のチーム編成
シナリオ構成力、演出力、アニメーションのスキルを考慮して均等な実力になるように考慮しながら3人のグループを編成していきました。ただし、今回はほとんどが入学して間もない1年生たちです。CGソフト(Reallusion iClone)を扱うのも、アフターエフェクト(Adobe After EffectsCC)などの合成ソフトやプレミアプロ(Adobe Premiere ProCC)のような編集ソフトを扱うのも初めてで、実力を測るところに苦労しました。

みんなの希望により特別講習会を実施
みんなのスキルが足りていないという自覚から、CGソフトiCloneの講習会や合成ソフトアフターエフェクト、編集ソフトプレミアプロの講習会を開いて欲しいという要望が持ち上がりました。希望をとって放課後や土曜日を中心に特別講習を行いました。

シナリオが上がったのは締切り2週間前
企画をもとにストーリの流れの骨格にあたるプロットを書きます。プロットを元にシナリオという台本を執筆していきます。何度かの手直しを経てシナリオの最終稿が出来たのは締切り2週間前でした。そこから実際のCGで制作するためのカット割りと絵コンテを仕上げていきました。

みんなが必死で制作にあたる
iCloneによるCG制作が始まりました。みな放課後の時間を使って演習ルームで作業が始まりました。放課後の僅かな時間と土曜日も特別に演習ルームを開けて頂き、朝から夕方まで作業に臨みました。

台詞のアフレコは専門学校の声優・俳優科に依頼
ほとんどのシナリオがドラマ仕立てなので、アフレコ(声優の声を入れる作業)が必要になったところは同じ八王子の敷地内にある日本工学院専門学校の声優・俳優科の学生さんに声をかけました。事前に声のオーディションをおこない各チームが自分の作品のキャラクターイメージに合った声優役を選んでいきました。オーディションには大勢の声優の卵たちが集まり、夜遅くまでカメラテストが行われました。日本工学院専門学校の学生さん本当にありがとうございました。

締切りに追われながら
ぎりぎりの作業の中、お互いに作品を見ながら批評したり、修正箇所のチェックを行っていきました。お互いに作品を見るということは客観的に判断する上で非常に重要なことです。渡部健司准教授の指導もあり、みんなのモチベーションは最後まで持続していきました。締切りは6月15日の真夜中にYouTubeへのアップとエントリー登録をおこない、なんとかぎりぎり全チームの予選作品提出を終えました。どのチームも初めてのチーム制作と企画、シナリオ、絵コンテ、CG、合成、編集、アフレコ作業を経験することが出来ました。たぶん1年生から本格的な制作演習が体験できるのは東京工科大学ならではです。プロジェクト演習で1年生から専門的な知識や制作の実際が学べる、これはメディア学部の最大の特徴ではないでしょうか。完成後、メンバー全員で試写をおこないました。各チームのメンバーは無事に提出できたという達成感がありました。予選通過の発表はこれからですが、結果とは別にこの貴重な経験を通じて映像作品を作るための考え方、チームワークやコミュニケーションの重要さを学ぶことが出来たと思います。

作品「虹の国」

 

作品「Oh! My KINKAKUJI」

後述
今回の予選大会は、昨年以上に盛況で日本から27作品、全世界で230作品が応募があったそうです。結果は7月20日、予選通過作品チームはそのまま台湾に招待され、本選に臨みます。