その19 “型破り”と”型なし”

“型破り”という言葉があります。「あいつは型破りな奴だ。」なんて使います。型破りとはどういう人のことを指すのでしょうか?

歌舞伎の世界で良く言われる”型破り”とは、周りの人間と違ったことをやろうとすること。「あいつは型破りな奴だ。」なんて言う使い方をする。それはある定型の型にはまらずに違ったことをすることを言います。つまり既成の形や既成概念のままに生活せずに既成のものを打ち破るという事。だが、気をつけないといけないのはあらかじめ決められた型を習得してこそ、破るべき型の姿も見えてくるという事。型を学ばないまま、しかも型の形も分からないまま闇雲に進んでしまうと何も自分の中に築けないままになってしまう。そのことを型がないので”型なし”と言うのです。

この言葉は、亡くなられた中村勘九郎さんの言葉です。

決められた型を学んでいくこと、あるいは教授の持っている型を理解することが大学に入ってすることです。そしてそれ以上に自分が身につけた型の破り方を試すのが大学という期間だと思います。以前、大学は”ものさし”を身につけるところだと言いました。型の話も”ものさし”の話と同じです。型を推し量る為の”ものさし”も必要だけど、それは決められた型を作る為というより、自分のオリジナルを作り出す為に”ものさし”を使わなければなりません。ぜひ”型破り”な人間になってください。

大学生の君に伝えたい104のこと

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