「頭の中の小さな消しゴム」という韓国の映画があります。夢見がちなお金持ちのお嬢様と建築家を夢見る土木作業員の階級格差を超えたラブストーリーです。貧富の差を超えて二人は結ばれるのですが、いきなり夢見る少女はアルツハイマー病を宣告されていまいます。記憶がどんどん無くなってしまう病気なのです。まるで頭の中に常に消しゴムがあって、頭の中の記憶を片っ端から消してしまうようになっていきます。ラスト近くで少女は青年に自分の記憶があるうちに自分の気持ちを書き記す。自分が愛しているのは彼だけなんだということを。
いきなりなんだという話しですが、今までみなさんは鉛筆と消しゴムを当たり前のように使っていると思います。でも、大学生になったらその組合せを変えてみてはどうでしょうか。消しゴムがあるのは、ノートにキレイに書き写したり、整理したりするために時間を使っていたんだと思います。キレイに書かれたノートは、ああ勉強しているなあ、と思わせるのに充分だったり、試験前になって暗記するのに役に立つんだと思います。でも大学って暗記する場所じゃないんですよね。教科書をキレイに丸写しするところではありません。そもそも教科書みたいな、ここからここまでを知っておけば良い、なんていう知識の範囲などありません。それよりも講義はもちろん、ネットや本で調べた事をとにかくメモしたり、その時に考えた事を書き記したりするためのノートとそれを消さないためのペンが必要なんだと思います。キレイに書く事が必要ではなく、後から後からそこに書き込んだり、継ぎ足しをしていくことが大事だし、間違ったりした事もすべてそこに残していくという事が大事だと思うのです。私のノートは、ボールペンやサインペンで黒と赤を使っています。メモ書きや書き込みや傍線の取り消しや強調した跡がやたらと残っています。後で見返した時に、何を考えたり、何を思いついたり、どこにつまずいたり、どこで悩んだかが、残っていて分かりやすいんですよね。
ぜひ、鉛筆と消しゴムのない大学生活を送ってみてはいかがでしょうか。