その50 学生としての矜持とは?

みなさんは「矜持」を持っていますか?
そもそも「矜持」とは何でしょうか?

「矜持」(きょうじ/きんじ)という言葉があります。元々は仏教用語だと思いますが、矜恃とも書きます。それぞれ意味が少し違うのですが、

「矜持」を持つ、とは信念を持つ、あるいは信念を持って行動することです。と自分の中に自負、自尊心、プライドなどを持つことは少し違います。
改めてこの言葉についてもう少し深堀りしてみたくなりました。

一般的によく使う「自尊心」とどう違うかを明確にして、

腹をくくる
覚悟を決める
本気になる
自分に厳しく

「矜持」は「矜恃」と混同されて使用されているようでして、

もちろん、字が似ていても意味は違います。

まず「矜」というのは誇り、自負、自尊心、プライドのことです。そこから「矜恃」とは自尊心が強い事、堂々と振舞うこと、尊大に構えることとなります。

そして、

「矜持」には、自信や誇り持って堂々と振舞うことに加え、

自分を「抑制する」という意味が含まれます。

その上での、誇り、自尊心になり、自分の能力を優れたものとして誇る気持ちとなります。

ですので、字が似ていて、同じ読みでも、意味がちがってきます。

ここでは「矜恃」はとりあえずおいておきます。

では、

「自尊心」とはどう違うのかという事について考察してみましょう。

端的に訳せばどれも、「誇り」といえるでしょうけども、

「自尊」にはたかぶること、自ら尊大にかまえること、うぬぼれること、

みずから自分を優秀なものと思い込むこと(←これはだいぶイタイ・・・)

という意味になっているようですね・・・これもあまりよくない・・・。

まぁ、「心」がつくと、

自分の人格を大切にする気持ち。また、自分の思想や言動などに自信をもち、

他からの干渉を排除する態度。となります。

では「矜持」とどう違うかというと、使える人が限られている点ではないでしょうか。

というのは「矜持」を使えるのは、その人の社会的・対外的「立場」を前提としたもので、

その立場にある者としての「誇り」「妥協できない態度」「示すべき態度」などを指すのが

「矜持」であるようだからです。

ここに「自尊心」と明確に違う点があります。

つまり、「自尊心」は個人的なもの。

「矜持」は社会的なもの。です。

「自尊心」は個人が持つべきもので、自分に対する責任しか負っていないのです。

これはこれで、人が持つべきもので、重要なものですが、

これが高すぎると、(あるいは勘違いしていると)

自分の力のみを頼み、他者を寄せ付けない、独りよがりな状態になります。

個人的な能力が高い人に、わりとよくみられますね。

自分しかみていません。

一方の「矜持」には「立場」と「自制」という意味が加わりますので、

これは、

組織やグループの一員として、そこに貢献しようとする気持ちがなければなりません。

いくら、個人個人の能力が高くても、

互いに貢献し助け合おうとする気持ちがなければ、

その組織やグループのパフォーマンスは向上しないでしょう。

そのためには、

独りよがりな「自尊心」を「自制」して、

「自尊心」を「矜持」に変えて参加することが重要ではないでしょうか。

そこにあるべきものは、「組織に貢献し、必ず結果をだしてやる」という「自尊心です」

つまり、自分の「自尊心」のベクトルが、

自分個人に向っているのか、それともグループに向っているのか、がポイントです。

ベクトルが自分自身にしか向っていない人は、

はっきり言って組織には必要ありません。

迷惑なだけですね。

難しいのは、「自尊心」が基礎にあって、

実はその先に初めて矜持が持てるという点です。

しかもこの「自尊心」は本当の意味での「自尊心」でなくてはなりません。

自分の固着した考えや、自らの立場を守るためや、

自己弁護の「自尊心」であってはならないのです。

何があっても、自分の責任を果たす、そのためには、誰にも邪魔はさせない、ぜったいやり抜く!

それができる自信が自分にはある!

というのが、

本来の「自尊心」といえましょう。

さて、ここに、

「がんばったことによって、人から認められたい」

とか

「自分の存在感をアピールするためにがんばりたい」

などという、自分本位な気持ちが少したりと入っていると思いますか?

もちろん、皆無です。

こういう人が持てるものこそ

「矜持」です。

この人の「自尊心」はグループへと向っており、

仮にこの人がグループのリーダーであれば、

そこにあるのは、間違いなく「矜持」でしょう。

もしくは、組織を含め、

「忠誠心」がある者にこそ、相応しい言葉といえるでしょうね。

それは、自分が関わる組織・グループ、それを率いるリーダーに対して、の

忠誠心です。

昨今の日本では、死語かもしれませんが、

中には、まだまだ、

この忠誠心を持つ人々がいるものだな、と感じます。

私は、そういう人々の中でこそ、

仕事をしていたいし、生きていきたい。

この「矜持」という言葉は、以前も言いましたが、非常に有能で、忠誠心が強く、高潔な男性が持つ印象を、強く感じます。持つべき者が、選ばれているような感じさえする、非常に美しい、尊い言葉だなと思うのです。

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